介護事務の職場の現実

超高齢化社会の日本で今注目されている業種はやはり「介護」ですね。介護タクシー、サ高住(サービス付き高齢者住宅)など、新しい介護に関連する用語があちこちに飛び交っています。

 

私も時代に乗るように軽い気持ちで介護事務の仕事に就きました。10数年間専業主婦をしていた私は、子育てもひと段落し常々何か仕事を始めようと思っていました。

 

長年介護の世界に興味がありましたが、高齢者相手に介護をする勇気がなくて迷っていたところ、「介護事務」という職にたどり着いたのです。事務なら、デスクワークだし直接高齢者と接することもそうないだろうと安心していましたが、おお間違いでした。

 

一番私を苦しめたのは利用者からの「電話」でした。電話は相手の顔が見えません。ただでさえ言葉を慎重に扱わなければならないのに、まず高齢者が何を言っているのかが分かりませんでした。いえ、正確に言えば、名前が聞き取れませんでした。

 

その上、介護の専門用語を使ってくるので即座に理解しなければ変な空気が流れてしまいます。高齢者によくみられるのですが、電話の向こうの人は自分の事をよく理解していると思いながら話をします。

 

高齢者は○○在宅支援センターに電話をしているのだから、話している相手は超専門的な介護職員か誰かかと思いこんでいます。私もなるべく調子を合わせて話すのですが、限界があります。

 

ある日「昨日来てくれたあの人に薬を頼んだんだけど、いつ持ってきてくれる?」という問い合わせの電話を受けました。私はすぐさま昨日のその方の「介護ケアサービス実施報告書」を探して調べましたがそのような記載はありませんでした。その時は「調べて後程お電話致します。」と言って電話を切りました。

 

後で担当の介護職員に問い合わせると、訪問介護時、毎回「薬はいつ?」って聞くそうですが、医師から許可がおりてない薬を欲しがっているそうでいつもそれはなおざりにしていると分かりました。

 

そんな風に利用者一人ひとりの特徴を覚えなければならないなんて思ってもいませんでした。介護事務をして3年たった今、随分慣れてやっと電話が怖くなくなってきました。